デジタルサイネージとは?導入のメリット5点|仕組みをわかりやすく解説
2024年04月12日
その後、ネット環境の発達やディスプレイの小型化によって小売業や流通業を中心に日本でもデジタルサイネージの利用が増加しました。
今でこそ街中や店頭、ターミナル駅にデジタルサイネージがあるのは当然の風景になりましたが、そもそもデジタルサイネージとは何か、どういった仕組みでコンテンツが映し出されているのかを把握している方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、デジタルサイネージの概念や仕組み、導入のメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
デジタルサイネージとは
デジタルサイネージとは、ディスプレイなどの電子機器を使って情報を表示・発信するメディアを指します。その用途は多岐に渡り、従来の看板や案内板に代わるものとして使われる他、広告やPOP代わりとして、また情報共有ツールや連絡ツールとして利用されるケースもあります。
サイズや設置場所もさまざまで、屋内・屋外、店頭や駅、電車やバスといった交通機関の中でも利用されています。
デジタルサイネージの仕組み
デジタルサイネージの仕組みは、スタンドアロン型とネットワーク配信型に分類されます。それぞれの特徴について簡単に解説します。
スタンドアロン型
スタンドアロン型のデジタルサイネージは、インターネット環境がなくても利用できる仕組みになっています。
コンテンツが入ったUSBメモリやSDカードを差し込むだけで手軽に配信ができるので、従業員に使い方の研修をする必要もありません。
グレードの高い製品の中にはスケジュール配信など多彩な機能がついているものもありますが、基本的にはシンプルな作りのものが多く、費用もネットワーク型と比べて安価です。
ネットワーク配信型
ネットワーク配信型のデジタルサイネージは、インターネットと接続することで遠隔操作が可能な仕組みになっています。
離れた場所からリアルタイムで掲載内容を変更できるので、最新のものが求められる情報を知らせるのに向いています。
スタンドアロン型と比較すると高価ですが、内容の入れ替えのしやすさなどメリットも多いタイプです。
デジタルサイネージ導入に必要なもの
デジタルサイネージの導入には、必要なツールを揃えなければなりません。ここでは、デジタルサイネージの導入に必要なものについて詳しく解説します。
ディスプレイ
コンテンツを表示するには、ディスプレイが必要です。ディスプレイを選ぶ際は大きさだけでなく、屋外に設置するのであれば防水・防塵にするなど、使う場所や使い方によって仕様を選択します。
STB
STBはセットトップボックスの略で、ディスプレイに接続してコンテンツを表示させるための機材です。
ディスプレイ側にSTBが内蔵されていることもありますが、そうでない場合はSTBでディスプレイとサーバーなどをインターネットでつなぎ、遠隔での操作を可能にします。
配信用ソフト
使用する機材にもよりますが、配信ソフトがあるとスケジュール配信が可能になり、デジタルサイネージの管理がしやすくなります。
コンテンツを流す順番や流す時間帯を指定できるものもあるので、より高い広告効果を狙えます。
インターネット環境
スタンドアロン型の場合はUSBメモリとメディア本体があればコンテンツを流すことができますが、ネットワーク配信型の場合はインターネット環境が必要になります。
安定したネット環境を準備しておくことで、ネットワーク切断などのトラブルを未然に防げます。
表示コンテンツ
どれだけ高価な機材があっても、表示するコンテンツがなければデジタルサイネージは使えません。ターゲットや設置場所をよく考え、伝わりやすいコンテンツを用意しておくことが必要です。
デジタルサイネージを導入するメリット5点
デジタルサイネージの導入には、コスト削減などを狙えるメリットが多数あります。導入のメリット5点について、詳しく解説します。
ターゲットを絞って訴求できる
デジタルサイネージはコンテンツを流す時間などを指定できます。そのため、従来の看板よりもターゲットを絞った効率的な宣伝ができます。
限られたスペースで多くの情報を発信できる
デジタルサイネージでは次々に別のコンテンツを表示させられるため、限られたスペースでより多くの情報を発信できます。伝えたい情報が多い場合は、従来の看板よりもデジタルサイネージがおすすめです。
設置場所を選ばない
デジタルサイネージにはさまざまな大きさのものがあるため、設置場所を選びません。屋外看板のようなものから店頭POPサイズのものまで、用途に合わせた大きさを選べます。
入れ替えコストが低い
デジタルサイネージには、従来の看板と比べて入れ替えコストが低いという特徴があります。人件費やPOPの印刷代の節約ができ、コスト削減にもつながります。
動画コンテンツを流せる
デジタルサイネージの中には動画コンテンツを流せるものもあります。工夫次第で人目を引き、より高い宣伝効果が得られます。
デジタルサイネージのデメリット3点
デジタルサイネージは初期費用が高く、導入しにくいなどの懸念点もあります。デジタルサイネージのデメリットについて解説します。
初期費用が高額
従来の看板と比較すると、デジタルサイネージの初期費用は非常に高額です。
コンテンツを表示する広告を表示するディスプレイの費用だけでも、屋内用で10万円~40万円、屋外用だと防水・防塵機能が付くため50万円~300万円と大きな出費を強いられます。
配信するにはディスプレイに加えて配信に必要な周辺機器や配信ソフト、コンテンツの制作費を用意する必要があるため、小規模な店舗などでは導入が難しいケースもあるかもしれません。
インターネット環境が必要
リアルタイム更新や遠隔操作といった便利な機能を使いたい場合はインターネット環境が必須です。
スタンドアロン型と呼ばれるインターネット環境が不要なタイプのデジタルサイネージであればインターネット環境は不要ですが、入れ替えの手間を考えるとネットワーク型の方がおすすめです。
故障のリスク
デジタルサイネージには故障のリスクがあります。特に屋外で使用されるデジタルサイネージは雨風にさらされるため故障のリスクが高く、その都度修理やメンテナンスといった費用がかかることも意識しておかなければなりません。
デジタルサイネージとは販促・環境演出に役立つ電子看板(まとめ)
デジタルサイネージは電子機器を使って情報を発信する、言わば電子看板とも言うべきメディアです。
屋外や店頭、交通機関などさまざまな場面で販売促進や案内板としての役割を果たすだけでなく、イメージ映像を使った環境演出などにも用いられます。
デジタルサイネージは場所を選ばずに設置できる他、配信スケジュールソフトと併用すれば時間帯によって流す内容を変更できるなど、従来の看板を進化させたものとして活用されるようになりました。
初期費用が高額であることや従来の看板と比べて故障のリスクが大きいことなどの留意点もありますが、機能性や視認性の高さ、人目を引きやすいことから今後もさらに利用が広まるものと見られています。